2019.10.07
小児のワクチンスケジュール
最近はワクチンの種類が増えてどれをいつ受けたらいいかわかりにくいですね。
きちんと受けようと思っていても、よくわかんないうちに打ち忘れってありますね。
しかもよくスケジュールが変わります。いろんなサイトで情報を確認するときは最新のものかどうか確認してください。
まずは小児科学会の出している保護者向けのものがわかりやすいのでアップします。(2019.4.1のバージョン)
NPO法人VPD(vaccine preventable disease)のサイトもわかりやすいです。
お好きな方を参考にしてください。
0−1歳の方はこちらの方がシンプルで見やすいです。
それでは各ワクチンのスケジュールをそれぞれ確認して見ましょう。
目次
定期接種(公費負担、無料)
まずはお金のかからない定期接種について
ここは奈良市に関してです。(他の県や市では微妙に対応が異なることがあります。ご注意ください。)
・平成25年1月1日生まれ以降の方は、生後1~2か月時に送付した予診票綴りの予診票を使用し、登録医療機関で接種をしてください。
・それ以前に生まれた方については医療機関にある予診票を使用してください。
問い合わせ先・・・奈良市健康医療部 健康増進課 管理係
電話(0742)34-5129
母子手帳が接種の際に必要です。
奈良市では医師会から母子手帳がない場合には接種しないように指導されています。
母子手帳は紛失した場合には就学前であれば再発行してもらえます。
当院も奈良市医師会の会員ですから、予診票と母子手帳がなければ接種できませんのでご注意ください。
インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチン
- 不活化ワクチン
- 生後2ヶ月から開始
- (初回3回)27日−56日(4-8週)の間隔をおいて3回接種
- (追加)初回3回目終了後7ヶ月〜13か月たった後に、4回目を接種
とくに小さい赤ちゃんの時期にかかると重症化する感染症を予防します。かかったら命に関わりますし、重篤な後遺症も残ることがあります。
きちんと生後2ヶ月になったら打ちましょう。追加接種は12か月から接種することで適切な免疫が早期に得られますので、1歳をこえたら接種する
万が一、
開始時期が生後7ヶ月を過ぎてしまった場合には、
- (初回2回)27日以上の間隔をおいて2回接種
- (追加)初回2回目終了後7ヶ月以上たった後に、(標準的には13ヶ月までの間隔をおいて)4回目を接種
- 開始時期が生後1歳を過ぎてしまった場合には、
- 一回接種のみ
のスケジュールとなっています。
肺炎球菌ワクチン(PCV13)
- 不活化ワクチン
- 生後2ヶ月から開始
- (初回)27日(4週)以上の間隔をおいて3回接種(標準的には生後12ヶ月までに)
- (追加)初回3回目の接種から60日(2か月)以上の間隔をおいて生後12ヶ月に至った日以降(標準的には生後12−15ヶ月以降に)1回接種
とくに小さい赤ちゃんの時期にかかると重症化する感染症を予防します。かかったら命に関わりますし、重篤な後遺症も残ることがあります。
きちんと生後2ヶ月になったら打ちましょう。
万が一、
開始時期が生後7ヶ月から12ヶ月の場合には、
- (初回2回)27日以上の間隔をおいて2回接種(標準的には生後12ヶ月まで)
- (追加)初回2回目終了後60日以上たって生後12ヶ月に至った後に1回接種
開始時期が生後1歳から2歳の場合には、
- 60日以上の間隔をおいて2回接種
開始時期が2から5歳の場合
- 一回接種のみ
のスケジュールとなっています。
B型肝炎ワクチン
- 不活化ワクチン
- 1回目 生後2ヶ月から開始
- 2回目 生後3か月
- 3回目 生後7-8か月
1回目と2回目は27日(4週)以上、 1回目と3回目は139日(20週)以上あける。
家族内に母親以外のB型肝炎キャリアがいる場合は、生後2か月まで待たず、早期接種が望ましい
4種混合ワクチン
4種とはポリオ、ジフテリア、百日咳、破傷風のこと
- 不活化ワクチン
- 生後3ヶ月から開始
- (初回)20日から56日(3-8週)の間隔で3回接種
- (追加)初回3回終了後6ヶ月以上あけて1回接種
- 7歳6ヶ月になるまでに終了
BCG
- 生ワクチン
- 生後5-8ヶ月で接種
2種混合2種とは破傷風とジフテリアのこと。
- 不活化ワクチン
- 11歳から12歳に達するまで
麻疹、風疹(MR)
- 生ワクチン
- (第1期)1歳から2歳に至るまでに1回(1歳のお誕生日が来たら打ちましょう)
- (第2期)5歳以上7歳未満(就学前の1年間)
水痘
- 生ワクチン
- 生後12-15か月で1回目
- 2回目は1回目から6-12か月あける
日本脳炎
- 不活化ワクチン
- 3歳で2回(1回目、2回目)
- 1回目、2回目 は6-28日(1-4週) あける
- 4歳で3回目(1回目から1年あける)
- 9歳で4回目
ヒトパピローマウイルス感染症
2013年6月より、積極的接種推奨が中止されていますが、
- HPVワクチンの有害事象の実態把握と解析
- 接種後に生じた症状に対する報告体制と診療・相談体制の確立
- 健康被害を受けた被接種者に対する救済
などの 対策が講じられたことを受けて、小児科学会では現在積極的接種を推奨されています。世界的にみても日本が打たないのは完全に時代遅れな状況です。
中学1年生女子 に3回接種
- 不活化ワクチン
- 2価ワクチン(サーバリックス®) ①-②は1か月、①-③は6か月あける
- 4価ワクチン(ガーダシル®) ①-②は2か月、①-③は6か月あける
任意接種(自費)
これまでは定期接種でお金がかからない予防接種でした。ここから以下は任意接種です。
自費になりますが、小児科学会より接種が推奨されている内容です。
うったほうがいいんでしょうか?と時々お問い合わせをいただきますが、
全て打つのがベストです。
おたふく
- 生ワクチン
- 1回目は1歳を過ぎたら早期に接種、
- 2回目はMRと同時期(5歳 以上7歳未満で小学校入学前の1年間)での接種を推奨 する
予防効果を確実にするために、2回接種が必要
ロタウイルス
- 生ワクチン
- 生後6週から接種可能、
- 1回目は8週-15週未満を推奨する
- 1価ワクチン(ロタリックス®):1回目-2回目 は、4週以上あける(計2回:生後24週までに完了すること)
- 5価ワクチン(ロタテック®): 1-2-3回目は、4週以上あける(計3回:、生後32週までに完了すること)
来年には定期接種に組み込まれることになったようです。
結構費用が高いワクチンですので、保護者になかなかの負担になっていました。
公費扱いになるのは嬉しいことです。
3種混合
3種とは破傷風とジフテリアと百日咳のこと。
2018 年1月の3種混合ワクチンの販売の再開を受けてスケジュールに入っています。
学童期以降の百日咳に対する免疫を維持するために新たに推奨されています。
- 不活化ワクチン
- 5歳以上7歳未満(できれば就学前)
ポリオ
学童期以降のポリオに対する免疫を維持するために新たに推奨されています。
- 不活化ワクチン
- 5歳以上7歳未満(できれば就学前)
インフルエンザ
- 不活化ワクチン
- 生後6ヶ月以上から可能
- 13歳未満は2回
- 13歳以上は1または2回
- ①-②は4週(2-4週)あける
さいごに
予防接種は書くの難しいです。
簡単に書き過ぎてもわかりにくいし、かといって情報盛り込むと見にくくなるし。
文字みてていてもよくわからないので、実際は結局、ページの先頭の表を参考にしてうっていくことになります。
ただでさえややこしいので、スケジュール外れると大変ややこしくなります
遅れた場合のスケジュールがあるのは、遅れてもいいということではありません。
最も効果的なタイミングをかんがえてスケジュールは決められています。きちんと打てば
- 病気の予防にメリットが大きい
- お金も定期接種であればかかりません
きちんと推奨時期に打ちましょう。
万が一スケジュールがずれてしまったら、、、当院でも一緒にスケジュール考えてまいります
また、当院の予約システムにはワクチンスケジュールを自動制御できるものを導入しています。最初に入力していただく手間はありますが、そこだけ我慢していただければ以降の管理がとても楽で安全になります。
自動的に、必要ないワクチンや時期的に打てないワクチンは表示されなくなります。間違った時期には予約できなくなりますので、わかりやすくなり、打ち漏れやミスが防げます。
ぜひご活用ください。
ちょっとネットが得意でない人には分かりにくいかもしれません。困ったらお電話ください。とりあえず次回の予約をお取りいただけます。来院いただいた時に入力法について受付でご質問いただければと思います。
また、だいたいのワクチンを打ち終わっているような場合には、後ちょっとのワクチンのために全部入力してただくのも手間かと思います。
そんな時もクリニックまでお電話ください。