鳥と鉛筆

2020.08.26

ザイザルの飲み方の選択肢が増えました!抗アレルギー剤の年齢制限について


抗アレルギー剤でよく使われるザイザル®ですが、私も好きでよく処方しています。

 

これまでシロップか錠剤しかなかったのですが、粉(ドライシロップ)と口腔内崩壊錠(OD)が増えて、さらに飲みやすくなりました。

 

とくにアレルギーを持つお子さんに朗報です。

 

ザイザル®(レボセチリジン)とは?

 

薬剤名はレボセチリジンといいます。

 

第二世代の抗アレルギー剤で、適応症は

  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹
  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

 

となっています。

 

比較的眠気が少なく、痒みを止める効果が強いため、皮膚科でもよく使われます。

 

僕自身はザイザル®で全然眠くなりませんので結構愛用しています。

 

ただ、薬の感じ方は人それぞれ、やはりザイザル®でも眠い、という方もおられます。

 

良いお薬ですので、試されたことのない方は是非使用していただければと思います。

 

第二世代の抗アレルギー剤

 

抗アレルギー剤全般については花粉症に関して書いた記事ですが、こちらの記事もご覧ください。長すぎるとスタッフには不評でしたが、ありがたいことに当ブログの現時点で一番人気の記事です。

 

第一世代の抗アレルギー剤が

 

  • 眠気からくるインペアード・パフォーマンス
  • 痙攣をおこしやすくする可能性

 

から小児科であまり積極的に処方されなくなってきています。

 

もちろん状態や病気によっては使うこともあります。

 

ただ、昔は風邪薬に混ぜて、「鼻水のおくすり」として普通にどんどん処方していましたので、そういう使い方はされなくなってきています。

 

この点、副作用の少ない第二世代の抗アレルギー剤を使う頻度は増えるわけです。

 

ただ、第二世代の抗アレルギー剤というと処方に年齢制限があります。

 

 

第二世代の抗アレルギー剤の年齢制限

 

生後6ヶ月から

ザイザル®(レボセチリジン)

アレグラ®(フェキソフェナジン)

ザジテン®(ケトチフェン)

 

1歳から

ゼスラン®(メキタジン)

ニポラジン®(メキタジン)

 

2歳から

アレロック®(オロパタジン)

ジルテック®(セチリジン)

 

3歳から

アレジオン®(エピナスチン)

クラリチン®(ロラタジン)

 

7歳から

タリオン®(ベポタスチン)

 

12歳から

デザレックス®(デスロラタジン)

ルパフィン®(ルパタジン)

 

このようにみると、生後6ヶ月から処方できるザイザルはとても貴重というのがよくわかります。

 

小さい子に使える抗アレルギー剤

 

ザイザル®

 

これまでザイザルはシロップと錠剤しかありませんでした。

 

赤ちゃんは当然錠剤は飲めません。シロップですと日持ちがしません。液体は腐りますよね。

 

ザイザルは良い薬ですが、シロップがダメな赤ちゃんには第二世代の抗アレルギー剤で選ぶなら、消去法的に、以下のアレグラかケトチフェンしかありませんでした。

 

アレグラ®(フェキソフェナジン)

 

粉が良い、というお子さんは当院ではよくアレグラを出しておりました。

 

眠気が少ない薬、という観点でいくと、次のケトチフェンは眠気が強いので、

 

第二世代の抗アレルギー剤をつかいたくて、眠気も出ないもの、粉薬で、となるとアレグラ一択でした。

 

 

ザジテン®(ケトチフェン)

 

ケトチフェンは第二世代といっても眠気が強く、使い方は当院ではほぼ第一世代扱いです。

 

ただ、持ち運びしやすい使い切りタイプの剤形のものもあり、食物アレルギーの赤ちゃんにはちょくちょく処方しています。

 

 

 

ザイザル®に新剤形!割らずに済む口腔内崩壊錠(OD錠)!

 

これまでザイザルの錠剤は5mgのみでした。

 

小さくて飲みやすいのですが、以下の用法を見てください。

 

ザイザルの用法・用量ですが、

成人:1回5mg(10mgまで増量可能)を1日1回、就寝前に経口投与する

小児:7歳以上15歳未満の小児には1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する

となっています。

 

大人はこれで良いのですが、

 

小児では、5mg錠をいちいち割って使用しなければなりませんでした。

 

自宅で割るのか、薬局さんが割った状態にして包装してくれるか、のどちらかでした。

これは割って包装してくれているもの。

 

めんどくさいですね。当然準備に時間がかかりますから薬局での待ち時間も増えます。

 

私は自分の子供のザイザルをもらうときには、

「自分で割るからそのままでお願いします」と薬局でお伝えしています。

 

どちらが良いかは好みにはなりますが、どっちもめんどくさい。

 

それでも良い薬だと思って処方していたわけですが、、、、

 

ついに出ました。

 

2.5mgのOD錠

 

ODとはOrally Disitegrationの略で、口腔内崩壊錠のことです。

 

口腔内崩壊錠とは、口の中に入れるとすぐに唾液でとける製剤のことで、服用する際に水が必要がありません。

 

お子さんであればラムネみたいに飲めるので、錠剤といってもかなり飲みやすくなります。

しかも2.5mgですので、いちいち割ったりする必要がありません。

 

薬局さんもいちいち割って袋詰めする手間がありませんので、お薬の待ち時間も減ると思います。

 

ザイザル®のジェネリックなら粉薬も可能!

 

こんな状況の中、なぜかジェネリックのみですが、粉薬も出ました!

 

これでシロップより粉の方が良い、というお子さんにもレボセチリジンを処方することができます。

 

これは小児科としては大きい。

 

赤ちゃんには是非お勧めしたいと思っています。

 

さいごに

 

ザイザルがシロップに加えてOD錠やジェネリックで粉薬も選べる様になりました。

 

発売されてすぐに記事を書き始めたのですが、時間がかかってしまいましたので、

 

もう置いてくれている薬局さんが多いと思います。

 

是非お試しください!


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