2020.09.30
チメロサールフリーのインフルエンザワクチン
当院で扱っているチメロサールフリーワクチンについての解説です。
目次
チメロサールとは?
チメロサールはエチル水銀チオサリチル酸ナトリウムという防腐剤の一種です。
ワクチンが腐ったらこまりますから防腐剤として入っています。
チメロサールはリスク?
短期的なリスク
体にとって異物になりますので、アレルギー反応を起こし、腫れたり、熱を持ったり、痛みが出たり、蕁麻疹が出たり、というような反応が出る可能性があります。
長期的なリスク
1990年代に自閉症との関連が噂されたために問題になりましたが、現在では関連性については否定されています(参考文献1,2)
自閉症との関連については気にしなくても良いです。
ですので、現時点ではっきりしている長期的なリスクはありません。
それほど心配しなくても良いと思いますが、世の中わからないことは多いもの。
何回か接種したくらいで長期的に問題になる様なことはありませんが、
水銀は蓄積するため、微量とはいえ将来的には新しい問題がいわれるリスクはゼロとはいえません。
全体的な世の流れとしては不純物は好ましくないと考えられる様になり、チメロサールを含まないワクチンが増えています。
チメロサールフリーワクチン
防腐剤のチメロサールを含まないワクチンが、チメロサールフリーワクチンと呼ばれています。
インフルエンザワクチンは毎年接種が必要な、何度も接種するワクチンですから、
蓄積する可能性を考えると、
とくに小児への接種や妊婦さんへの注射には検討いただくと良いですね。
あとは健康志向の高い方が探しておられたりしますね。
通常のインフルエンザワクチンは問題あり?
通常のインフルエンザワクチンにはチメロサールが微量ながら含まれています。
ただ、世界中でみんなが接種しているワクチンですし、私は気にしなくて良いと思っています。
それに不純物はチメロサールだけでもありません。
製造過程でどうしても微量には色々なものが混入します。
実際、チメロサールだけ除去しても、腫れる子は腫れます。
私自身は、毎年普通のワクチンを接種しています。
私自身はそれほど腫れたりしないし、値段も安いからです。
普通の方は通常のワクチンで十分OKです。
チメロサールフリーワクチンを検討すべき方
アレルギー持ちのお子さんですと、なにかと不純物に敏感に反応してしまう方がおられます。
当院はアレルギーにも力を入れていますので、過敏でワクチンに腫れやすいお子さんがよく来られます。
インフルエンザワクチン後に腕が腫れるお子さんのなかには、チメロサールで腫れているお子さんもおられます。
チメロサールが原因でない場合には、残念ながら普通のワクチンと同じ様に接種後、腫れます。
しかし、チメロサールが原因なら、、、、
大きく症状は改善されます。
これまで何人にも、チメロサールフリーワクチンをお勧めして、
- 痛みがマシだった
- 昨年よりも腫れがマシだった
と、とても喜んでいただきました。
チメロサールフリーワクチンは値段が高い?
容易に想像つくと思いますが、防腐剤を使わずにワクチンを作ろうと思うと、
製品管理がかなり厳しくなります。
当然、製造コストは上がります。
仕入れ値が高いので、どうしても値段を上げざるをえません。
通常のワクチンよりも高めの設定にしているのはそういうわけです。
特に問題ない方は通常ワクチンでも十分大丈夫です。
ただ、必要な方には値段分の価値は感じていただけると思っています。
時代に逆行するような話ですが、最近はワクチンの需要が高いため、製造が追いついておらず、
たくさんワクチンが作るため、手間とコストのかかるチメロサールフリーは、徐々に生産本数が減っているそうです。
昨年希望が多かったので、今年は頑張って昨年よりも数を増やして確保しています。
インフルエンザ以外のワクチンもチメロサールフリー
実は、、、、、
当院で採用している他のワクチンもほぼチメロサールフリーです!!
(もちろんチメロサールフリーだけを根拠に選んでいるわけではありません。)
赤ちゃんは安心して接種しにきてくださいね!!
さいごに
いかがでしたか?
チメロサールフリーのインフルエンザワクチン、、、、
腫れる人にはとてもお勧めです。
あと、妊婦さんにもお勧めしています。
(ちなみに妊婦さんは当院で接種の際には、チメロサールあり、なしにかかわらず、念のため産科のかかりつけの先生の許可を取っていただく様にお願いしています。)
健康意識の高い方にももちろんおすすめです。
本数には限りがありますのでお早めに!多めに確保はしましたが、なくなれば終了します。