2020.09.30
最終更新日: 2025年08月31日
腫れにくいインフルエンザワクチン|チメロサールフリーとは?
当院で扱っているチメロサールフリーワクチンについての解説です。
目次
チメロサールとは?
チメロサールは「エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム」という防腐剤の一種です。
ワクチンは保存や流通の過程で腐敗や細菌汚染が起こってはいけません。
そのため、長年チメロサールが防腐剤として利用されてきました。
チメロサールはリスク?
短期的なリスク
チメロサールは体にとって“異物”のため、アレルギー反応を起こすことがあります。
・接種部位の腫れ
・赤みや熱感
・痛み
・じんましん
といった症状が出る場合があります。
長期的なリスク
1990年代には「自閉症との関連」が話題になったことがありますが、その後の大規模研究で 関連は否定 されています(参考文献1,2)。
ですので、現時点では長期的に大きなリスクは報告されていません。
ただし、水銀は体内に蓄積する性質があるため、可能であれば避けたいという考え方が広まっています。
その流れから、最近では チメロサールを含まないワクチン=チメロサールフリーワクチン が増えています。
チメロサールフリーワクチン
チメロサールを含まない防腐剤フリーのワクチンのことを指します。
インフルエンザワクチンは 毎年・複数回接種する ことが多いため、
小児や妊婦さんなどにはより安心して使える選択肢といえます。
・小児への接種
・妊婦さんへの接種
・健康志向の高い方
こうした方には特におすすめです。
通常のワクチンは問題ないの?
通常のインフルエンザワクチンにはチメロサールが微量含まれています。
世界中で広く使われており、基本的には 大きな問題はない と考えられています。
私も毎年接種しています。
ただし、実際に「接種後に腫れやすい」方がいらっしゃいます。
その原因のひとつがチメロサールである可能性があります。
どんな方にチメロサールフリーワクチンがおすすめ?
接種のたびに腫れが強く出る方
アレルギー体質で不純物に敏感なお子さん
妊婦さん
より安心できるワクチンを希望される方
当院でも、チメロサールフリーワクチンに変更して
「腫れが軽くなった」「痛みがマシだった」 と喜ばれた方がたくさんおられます。
チメロサールフリーワクチンは値段が高い?
チメロサールを入れないワクチンは、製造管理がより厳格になるためコストがかかります。
そのため、通常のワクチンよりも少し高めの価格設定となります。
「特に問題のない方は通常のワクチンでも十分」ですが、
必要な方にとっては値段以上の価値を感じていただけると思います!
インフルエンザ以外のワクチンも?
実は当院で使用しているほとんどの定期予防接種ワクチンは、すでにチメロサールフリーです。
(例外的にB型肝炎ワクチンの一部のみ、チメロサールを含む製剤があります)
赤ちゃんや妊婦さんも、安心して接種していただけます。
さいごに
「腫れやすい」「痛みが強い」とお困りの方や妊婦さんには、チメロサールフリーワクチンがおすすめです。
健康志向の高い方にも選ばれています。
ただし、通常のワクチンでも十分安全ですので、ご希望や体質に合わせてお選びください。
在庫には限りがありますので、気になる方はお早めにご相談ください。