2020.05.10
舌下免疫療法が開始時期です!小児もスギやダニの花粉症を撃退
ようやくスギ、ヒノキの花粉症が下火になってきました。
さあ、いよいよ舌下免疫療法の時期です。花粉症を撃退していきましょう。
目次
5月の花粉
スギ・ヒノキは下火でもまだ症状が強い人もおられるでしょう。
5月にはいってから問題になるのは、カモガヤ・ハルガヤ・オオアワガエリなどのイネ科の植物の花粉。
あとは衣替えによってダニ、ハウスダストも問題になります。
私もこれらのアレルギーがあるので、5月に入ってまたくしゃみがよく出るようになってきてしまいました。
しばらくサボっていましたが、これを飲みはじめました。
やはり飲むとマシになります。薬ってたいしたもんですねー。
さて、ある程度症状がおさまっているときの方が舌下免疫療法は始めやすいのですが、いつごろ始めるのが良いでしょうか?
舌下免疫療法のおすすめ開始時期
スギ花粉症
スギ花粉症の場合には、スギ花粉の飛んでいない時期でないとできません。
一般的におすすめ時期は6月〜12月です。
シダキュアという薬を使います。
(鳥居薬品プレスリリースより転載)
ダニアレルギー
ダニアレルギーに関しては通年性なので、いつ始めても良いです。
ただし、
- ダニアレルギーがある方はスギ花粉アレルギーも併発していることが多い
- 小児は冬に体調を壊すことが多い
という理由から、あまり冬の時期に開始することはお勧めしていません。
結局どちらも6〜12月が開始しやすい時期と言えます。
ミティキュアという薬を使います。
(鳥居薬品プレスリリースより転載)
舌下免疫療法の開始年齢は?
5歳から治療の開始が可能です。
あまり小さいときちんと薬が使えませんしね。
昨年、舌下免疫療法を開始された方の感想
当院が開院してから、すでに舌下免疫療法を開始された方に今年の印象を伺ってみましたが、
かなり今年は楽という方ばかりです。
今年は花粉が少なく、またマスクもしているし、外出が数ない、ということもあり、単純な比較はできないと思いますが、
それでも例年スギ花粉には悩まされていたのに、今年は抗アレルギー剤も飲んでいないのに、症状がかなり軽く、
「花粉飛んでいるんですか?」という方までおられました。
もちろん効果には個人差があり、どのくらいお勧めか?は診察や検査の上で相談にはなりますが、かなり注目の治療と言えるでしょう。
まずはアレルゲンの確認が必要です。
誰にでも効く治療ではありません。
スギ花粉やダニにアレルギーがあることをしっかり確認する必要があります。
まずは来られたら血液検査をして、アレルゲンを確認します。
(これはスタッフの検査結果です。調べ方は色々で、これは一例です。)
以前に血液検査をされたことがあれば、そのデータも使えますが、目安は半年以内と思っていただければと思います。
古いデータでは、また数値が変わっている可能性もあります
また、アレルゲンを確認するだけでなく、治療効果などをフォローするのには、ある程度始める直前のデータが必要です。
手軽に始めることができる治療ですが、まだまだ小児には適応がとおったばかりの新しい治療でもあります。
きっちり現在の状態を評価した上で開始するのが安全・確実であると考えています。
また効果をフォローしていく上でも重要になります。
初めの数ヶ月くらいは症状を覚悟してください!
原因と分かっているアレルゲンを体に入れるわけですから、症状が出て当然です。
- くしゃみ
- 鼻水
- 皮膚の痒み
- 口の腫れ
などなど、は頻度の高い副反応。
むしろそれくらいの方が、体が反応しているので免疫療法の効果が高い可能性もあります。
でも、はじめだけで、慣れてきます。特に初めの1ヶ月がしんどいです。
相談しながらやっていきましょう。
少ない量から初めて、徐々に増量していきます。
はじめは症状が強ければ抗アレルギー剤も併用したりしながら、進めてきます。
この辺りの細やかなフォローが必要です。はじめはまめな受診が必要だと考えてください。
初回投与は院内で行います
初回投与は院内で行い、薬の投与方法を指導させていただきます。
また、薬の副作用が強く出る可能性もあります。
投与後30分は院内で様子を見せていただき、安全を確認して帰宅いただきます。
すこし初回投与の日には時間がかかりますので、そのつもりでの来院をお願いいたします。
この日はスタッフの確保や予約の調整が必要ですので、窓口かお電話でのご予約をお願いいたします。
さいごに
だれもが舌下免疫療法の適応ではありません。
やるべきかどうか悩んでおられる方は、是非一度受診をいただき、相談いただければと思います。