2019.12.18
接種を推奨します!インフルエンザワクチンについて
インフルエンザはおなじみの冬にはやる有名なウイルスですね。
まだ大流行してはおらず、一部学級閉鎖などはあるものの、登美ヶ丘地域ではあまり出ていない状況です。
インフルエンザは健康なお子さんがなると自然に治る病気ではありますが、
一方で肺炎になったり脳症になったりと重症化するお子さんも中にはおられます。
あとインフルエンザになって学校休まないといけなかったり、何度も病院にいかなかったと結構大変ですね。
ワクチンはインフルエンザ感染を予防する最も効果的な方法です。
当院では現在(2019.12.18)インターネットでのご予約が可能です。
ご予約の際にはインフルエンザを選択して次の画面へお進みください。
ワクチン履歴は入力していただかなくてもご予約を完了していただくことが可能です。
でもよく聞きますよねワクチン打ったのにインフルエンザになっちゃった。
実際どの程度効果があるでしょうか?
インフルエンザワクチンは今シーズンにはやるであろう型を予想して、複数のウイルスを合わせて作られています。ですから毎年違うものを作っているわけですね。
型の予想が実際にはやった型と近かった場合には50−80%の予防効果があります。
予想が残念ながらハズレの場合でも、予防効果は下がりますが、重症化を防ぐなど、それでも一定の効果をみとめます。
生後6カ月以上の方に使うとインフルエンザにならなくなったり、合併症を減らしたり、病院に行かなくて済むようになったり、学校で休まなくてよくなったりということが報告されています。
また、6ヶ月未満の赤ちゃんやワクチンが打てないようなお子さんがいる場合には、周りがきっちりワクチンを打つことで守ってあげるのが大切です。
なかなか定期接種ではなく自費のワクチンなので、集団で打つのが難しい現状ですが、集団で打てば効果が高いことも証明されています。ご家族、お友達みんなで受けることが大切です。
残念ながらインフルエンザワクチンは毎年打たないとダメです。
免疫が次の年には下がってしまうことがわかっています。
インフルエンザは通常流行する時期は通常12月から3月くらいですので、その前の時期に打つのが良いでしょう。できれば10月−11月くらいに受けるのがベストですが、インフルエンザが流行している時期でも打つのが良いです。
今年はまだ流行が遅い印象ですので、まだぎりぎり間に合いますね。
ご希望の方はお早めに!
生後6ヶ月〜12歳: 2回接種
13歳以上:1回接種 (希望すれば2回可能。受験生なら2回がおすすめ。)
不活化ワクチンですので、1週間間隔をあければ2回目を打つことができます。
(ちなみに生ワクチンは1ヶ月間隔をあける必要があります)
しかし免疫効果を考えると、3-4週間隔がおすすめです。
インフルエンザワクチンをうてない条件は?
不活化ワクチンとはいえ異物を注射するわけですから、体調が良い時に打つ必要があります。
熱がある時にはうてません。
ただし、少々の風邪症状(鼻や咳くらい)ならうてます。
もちろん体調がベストの時の方が良いのですが、あまりこだわると、打てる時期を逃してしまいます。そうするとインフルエンザになるリスクが上がるわけですから、あまりこだわるのもよくありません。
インフルエンザワクチンでいままでに しんどくなったことがあるお子さんはうてません。
重い卵アレルギーのお子さんもうてないケースがあります。(後述)
軽い副作用としては他のワクチンと同様に
- 打った部位が腫れる、赤くなる、しこりのようになる
- 発熱
重い副作用としては
- アナフィラキシー
- ギランバレー症候群
- 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
が報告されていますが、頻度は極めて稀です。
アナフィラキシーには卵アレルギーによるものや、ワクチンに含まれる添加物によるものがあります。
このため、以前に卵やワクチンでアナフィラキシーを起こしたりしんどくなったお子さんは要注意です。
以前にインフルエンザのワクチンで、すごくしんどくなったことがある子はうてません。
インフルエンザワクチンには非常に微量ながら卵の成分が入っています。
実際にはほとんど問題にはならないのですが、念のため注意は必要です。
当院では
- 以前にワクチンでアナフィラキシーをおこした既往がある
- 卵を完全除去していて、加工品も食べたことがない
場合には原則接種できません。
可能です。
生後6ヶ月から2歳までの方で肺炎球菌ワクチンと4種混合と同時にインフルエンザワクチンを接種をしたときに、熱や熱性痙攣起こした率が高かったと言う報告がいちおうあります。
しかしながら100,000人に30人というレベルのリスクですので、それよりはうてる時期にうってしまう方が良いというのが私の考えです。ワクチンにより病気にかかるリスクは下がるわけですから。
当院では積極的な同時接種を行なっていますが、心配な場合はもちろん別々にうっても構いません。
私自身、研修医の時にひとりインフルエンザ脳症で患者さんが亡くなった経験があります。
その子は卵アレルギーでインフルエンザワクチンが打てていなかったのでした。
当時の判断でワクチンが打てなかったことは仕方のないことだったのでしょうが、
もしもワクチンをうてていたなら?結果はどうだったのでしょうか?
答えは神のみぞ知る、です。
その後も何例ものインフルエンザ脳症を経験してきました。
一度発症すると救命するのもやっとで、完全な治癒はかなり困難と言えます。
可能な限り防ぎたいと考えています。
そのうちの一つの方法がワクチンです。
「以前にインフルエンザワクチン打ったのにかかったから打たない」なんて思わないでくださいね。
当院では1月にはいってもワクチンが確保できる限りは接種を続ける方針です。
ご予約お待ちしております!