鳥と鉛筆

2021.06.06

新型コロナワクチン接種のよくある副反応やアレルギーについて


●はじめに

 

当院でもコロナワクチン接種に協力することもあり、一般的な出やすい症状などをご紹介したいと思います。

 

またアレルギーをお持ちの方はアレルギー情報も気になるかもしれません。そちらも後半で紹介しています。

 

(注:2021-05執筆時点での情報です)

 

最新情報については厚生労働省のページもご参照ください。

 

●当院で接種予定の新型コロナワクチン:ファイザー社製のコミナティ筋注®

 

当院で接種予定のワクチンはファイザー社のコミナティ筋注®というワクチンです。

コロナワクチン:ファイザー社のコミナティ

ほかにも何種類か今後は使えるようになるかもしれませんが、現時点ではファイザー社製のみです。

 

発症予防効果は約95%といわれるワクチンです。

 

これからどんどん新しいデータが出てくると思われますが、現時点の判断としては、

 

やや副反応は多いものの、かなり成績の良いワクチンといえます。

 

たまに「接種してもかかった」とか、ニュースになりますが、

「接種したからかからなかった」というのは、なかなかニュースになりませんね。

 

接種しても100%は予防できませんが、かなり有効であることは間違いありません。

 

 

●接種回数:2回(通常3週間の間隔)

 

1回目をうけたあとは、3週間開けて2回目を受けましょう。

 

3週間ぴったりでなくても少し空いても大丈夫ですが、過ぎた場合にはできるだけ早めに受けるように推奨されています。

 

●接種対象:12歳以上(16歳以上から改定!)

 

5月31日付で接種対象者が16歳以上だったのが、12歳未満に引き下げられました。

 

当院は小児科ですから、小児がうつ時期にはしっかりうてるように準備していきたいと思います。

 

症状がすくない小児へのワクチン接種は議論があるところかと思います。

 

短期的なリスクは大したことないですが、新しいワクチンですから、長期的なリスクについては誰にもわかりません。

 

海外で接種が始まっていますから、その辺の様子も見ていきたいと思います。

 

記事追加しました。(2021-8-13)

小児(12歳以上)への接種について

 

 

●新型コロナワクチンワクチンの効果が出るのは:2回目接種から7日以降

 

2回目が終わって約7日たてば、きちんとした効果が期待できるようです。

 

 

●他のワクチンとの接種は2週間空けて!

 

安全性の問題から、他のワクチンとの接種は2週間空けるようにお願いします。

 

新型コロナワクチンは接種したら3週後に2回目ですから、コロナワクチン1回目と2回目の間にに他のワクチンを挟むのは無理です。

 

必要な場合は、新型コロナワクチン接種の2週間以上前か、2回目終了後2週間〜としましょう。

 

 

●気になるのは副反応?

 

みなさん気になるのは副反応ですよね。メリットが大きいですので、みなさんに接種していただきたいと思いますが、

ある程度知識があった方が、接種後を楽に過ごせると思います。

 

報告の多い副反応

 

  • 50%以上:接種部位の痛み、倦怠感、頭痛
  • 10%〜50%:筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部位の腫れ
  • 1%〜10%:下痢、嘔吐

 

稀な頻度ではありますが、アナフィラキシーに注意です。(最新情報はこちら。厚労省の副作用報告ページ)

 

当院でもアナフィラキシー対策を行なっています。

 

↓ AEDです。

 

↓ 薬剤類です

 

発熱

 

1回目はそれほどでもないですが、2回目では接種日翌日にはかなり見られております。

 

37.5度以上の発熱

 

ワクチン1回目:3.3%程度

ワクチン2回目:38.1%程度

 

38℃以上の発熱

 

ワクチン1回目:0.9%程度

ワクチン2回目:21.0%程度

 

コロナワクチンの発熱の頻度

(厚生労働省 新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査より抜粋)

 

頭痛、倦怠感など

 

発熱よりは一回目の接種よりも多いですが、やはり2回目の方が頻度も程度も多そうです。

 

倦怠感

 

ワクチン1回目:23.2%程度

ワクチン2回目:69.3%程度

 

頭痛

 

ワクチン1回目:21.2%程度

ワクチン2回目:53.6%程度

 

コロナワクチンの副反応の頻度

(厚生労働省 新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査より抜粋)

 

年齢別、男女別の副反応の違い

 

どの年齢でも、男性でも女性でも副反応は出るわけですが、

 

全体的な傾向で言うと、

  • 年配の方
  • 男性

の方が症状が少ないようです。

 

若い女性が副反応が強めな傾向があります。

 

新型コロナワクチン年齢別副作用

(厚生労働省 新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査より抜粋)

 

●新型コロナワクチン副作用まとめ

 

  • 1回目よりも2回目がしんどい
  • 発熱は翌日が多く、接種後3日目には解熱することが多い
  • 若い人や女性の方が副反応の頻度が多い

 

ちなみに、私やスタッフの体験記は以下から見れます。

1回目接種

2回目接種

 

 

●万が一の際:予防接種法に基づく救済の対象

 

新型コロナワクチンに限らず、一般的に、ワクチン接種では、

 

副反応による健康被害が、極めて稀ではあるものの避けることができないことから、救済制度が設けられています。

 

 

救済制度では、

 

予防接種によって健康被害が生じ、医療機関での治療が必要になったり、 障害が残ったりした場合に、

 

予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けることができます

 

新型コロナワクチンの接種についても、同様です。

 

 

●新型コロナワクチンを接種できない人

 

一般に、以下の方は、ワクチンを接種することができません。

 

  • 明らかに発熱している方(通常37.5℃以上)
  • 重い急性疾患にかかっている方
  • ワクチンの成分に対し、アナフィラキシー(※)など重度の過敏症の既往歴のある方
  • 上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある方

(※)全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等

 
  • 妊娠中、又は妊娠している可能性がある人

も安全性が確立されていません。

 

厚労省のサイトでは接種1週間前後での妊婦検診が推奨されています。

 

当院での接種は望ましくないと考えています。

この基準に該当する場合、当院では来院されても接種はできません。ご了承ください。

 
 
 

●新型コロナワクチン接種には注意すべき人

 

一般に、以下の方は、ワクチンを接種するに当たって注意が必要です。

ご自身が当てはまると思われる方は、新型コロナワクチンを接種しても良いか、かかりつけ医にご相談ください。

 

  • 過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方  
  • 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある方  
  • 過去に予防接種を受けて、接種後2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた方  
  • 過去にけいれんを起こしたことがある方 
  • ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれがある方

 

また、新型コロナワクチンは「筋肉注射」のため(普通のワクチンは「皮下注射」です)、

  • 抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害のある方

は、接種後の出血に注意が必要とされています。

 

スムーズな接種のために、接種可能かどうか?不安な方は

かならず事前に、かかりつけの先生のご相談のうえご来院ください。

 

当初の接種対象は高齢者からです。

 

高齢者はデータ上は幸い副作用は少ないですが、もともとの持病もたくさんお持ちです。

 

かかりつけの先生もおられるケースがほとんどでしょう。

 

接種可能かどうかは、問診だけでは判断がつかない場合もあります。

 

不安な方は、事前にいつもお薬をもらわれている先生のところで確認してきていただきたいと考えています。

 

●どんな人にアレルギー反応が起こりやすいか?

 

新型コロナワクチンに含まれる成分

 

▷有効成分
・トジナメラン(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA
▷添加物
・ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)
・ALC-0159:2-[(ポリエチレングリコール(PEG))-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド
・DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
・コレステロール
・塩化カリウム
・リン酸二水素カリウム
・塩化ナトリウム
・リン酸水素ナトリウム二水和物
・精製白糖

 

*コミナティ筋注®には鶏卵やゼラチン、チメロサール、ラテックスは含まれていません。

 

 ポリエチレングリコール(PEG)という成分が注意?

コミナティ筋注®はPEGが含まれた日本初のワクチンです。

 

医薬品・医薬品添加物につかわれるPEGは「マクロゴール」として記載されていることもおおいです。

 

PEGを含むものの例

 

PEGは以下に含まれています。

 

  • 大腸検査の下剤(ニフレックなど)
  • 医薬品の不活性成分や安定剤
  • 薬剤の治療効果を改善するためのペグ化に使用
  • 化粧品、シャンプー、歯磨き粉にも

 

ポリソルベート

 

ポリソルベートはPEGではないですが、乳化剤として様々な食材に使われています。

 

ワクチンでもポリソルベートを含むものがあります。

 

  • エイムゲン(A型肝炎)
  • シルガード
  • ロタテック
  • イモバックスポリオ
  • 細胞培養インフルエンザワクチンH5N1「タケダ」

 

 

これらのワクチンで、アナフィラキシーなどの強い反応が出た方は、個人の病院ではなく、

医療スタッフの人手の多い集団接種や病院で接種する方が無難でしょう。

 

 

●添加剤が心配な場合には

 

添加剤が不安な場合には、ご自身でも調べてみることが可能です。

「ポリエチレングリコール」、「マクロゴール」を以下サイトで検索してみてください。

 

医薬品の検索方法

 

こちらで検索できます。

 

一般用・要指導医薬品の検索方法

 

こちらで検索できます。

 

 

 

●さいごに:スムーズな接種にご協力ください!

 

発熱などある場合もありますから、接種前に準備をしておきましょう。

 

できるだけ

  • 解熱剤を準備しておく
  • しんどくても大丈夫なように、食事や水分を用意しておく
  • 家族は別の日に!(別日にしたら、しんどくてもお互いにケアできます)

 

また、接種が不安な方は事前にかかりつけの先生に相談しましょう。

 

接種会場での相談は、スムーズな接種の妨げになります。

また万が一、接種できない場合にはワクチンが無駄になってしまいます。

 

接種当日は

 

  • 肩まですぐに上げれる服装でお越しください。
  • 送られてきた書類にしっかり目を通していただき、必要書類をお忘れなくお持ちください。

 

はやくみんなが接種して、お店も営業できて、音楽も楽しめて、普通の生活に戻りたいですね。

 

それでは!


オンライン診療

子育て支援の一環として、当院かかりつけで「症状が安定している」患者さんを対象にオンライン診療を行なっています。

WEB問診

当院では受診前にWEBでの問診システムのご記入をお願いしております。
ご来院前に事前に問診をご記入いただきますと受付がスムーズとなりますので、是非ご協力ください。

    <問診記入にあたっての注意点>
  • 患者様の状態を把握するための問診です。できる限り正確にお答えください。
  • WEB問診記入後、来院時に受付に「WEB問診に回答した」旨お申し出ください。