鳥と鉛筆

2020.04.01

オンライン診療を導入したきっかけとは?

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新型コロナウイルス感染症の騒ぎで、オンライン診療が注目を集めています。

 

遠隔診療とも呼ばれる診療で、もちろん実際に見て、聴いて、触って、というのができないデメリットはありますが、

その引き換えに、

  • 自宅でもできる手軽さ
  • 感染予防
  • 自宅でしか見せないお子さんの表情が見れる
  • (怪我や病気などで)通院困難なときでも通院が途切れない

というような、他では得られないメリットもあります。

 

さて、今回は、私がオンライン診療に興味を持ったきっかけについて書きたいと思います。

 

私が興味を持ったきっかけはいくつかありますが、そのなかで自分として感じた、以下の3つの出来事について書きたいと思います。

 

(注意:オンライン診療に関しては現在国の規制が頻繁に変わっているため、それに合わせて当院の体制も細かく変更を繰り返しています。ブログはその時点での記事です。最新情報は必ずホームページからリンクしているメドレーの予約サイトを確認いただくようお願いいたします。)

 

オンライン英会話との出会い

 

私は今でこそ開業医で、思いっきり地域密着の仕事です。

 

もともと開業したい気持ちはあったのですが、それと同時に世界を飛び回る仕事もしたい、と子供の頃から思っていました。

 

勤務医として働きながら、世界に出ていくチャンスもいただけたらと思い、トップジャーナルに何度も論文を掲載している奈良医大小児科の研究室に入門させていただき、一員として仕事をさせていただきました。

 

研究はもちろん、それを通して学ぶことの素晴らしさは、はかり知れず、お願いして大学院へ進学させていただきました。

 

その後、ご縁があって、大学院卒業後、カナダへの留学が決まりました。

 

さて、ここで当然ながら、英語の壁に当たりました。

 

大学生時代に英会話スクールに通っている意識高い系の友人もいましたが、英会話スクールって結構お金がかかりますよね。

 

英会話講師の給与なども考えたらぼったくりとは思いませんが、学生がアルバイトしながら通うにはちょっと厳しい額でもありました。

医学部は進級も厳しいし、私はクラブ活動(音楽活動)にも熱を入れていたので、そこまでアルバイトができないという事情もありました。

 

英語は元々好きだったのですが、私の世代は英会話という授業は中学や高校ではありませんでした。

文法や発音記号はやたら詳しいですが、ほとんど英語を喋ったことなんかないわけです。

 

お子さんのお父さん、お母さん世代の多くの方に同意してもらえると思います。

 

そして、大学に入り部活ばかりしているうちに、英語も忘れてしまって、研修医になりました。

 

地獄の研修医生活に英語を勉強する余裕は凡人の私にはなく、研修医が終わっても英語の論文は読みましたが、話すとなると全くダメでした。

 

そんなわけで、大学院時代に週一回だけ近所に英会話のいい先生を見つけて通っていました。

週1回1時間の授業でした。これでも、話したことがないのとあるのとでは大違いなので、無意味であったとは思いません。

 

しかし聞ける・話せる、というレベルとは完全にかけ離れたものでした。

 

大学院の間に何度か英語で研究成果をプレゼンする機会も得ました。

 

ただ、ここでも、プレゼンは原稿を作って覚えるだけでよかったですし、プレゼン後に英語で質問されても、恥ずかしながら質問の意味もわからず答えようもない状況で、上司を頼っていました。

 

このような状況で留学が決まったので、どのようにして英会話をしたら良いのか?

 

かなり焦りました。

 

そんなときに、たまたまインターネットでオンライン英会話を見つけました。

 

今はオンライン英会話にもいろいろ選択肢がありますが、当時はまだほとんどなく、レアジョブという会社に登録しました。

 

これが、非常によかった。

 

スカイプを使って、フィリピンの先生と話すのですが、毎日話せて値段も安い。

(フィリピンのインターネット回線が悪く、頻繁にレッスンが途切れたり、無くなったりするということはありましたが、、、)

 

いざ英語で話してみると、楽勝で書けても読めても、とっさに出てこない単語ってあるんですよね。だって実際使ったことないのですから。

 

鳥インフルエンザの話をするときに、「鳥」という英単語が出てこなかったときには自分でも愕然としました。

『bird』、、、ですよね。

 

毎日話す、これは語学の習得に特に重要なポイントです。

 

カナダ留学中も毎日レッスンをうけていました。毎朝5時に起きて英会話して、約3時間英語の勉強してから出勤していました。

 

こんなものが若いときにあったら、、、、いい時代になりました。

 

また別の機会に記事にしようと思いますが、若いドクターや学生さんにはぜひやってもらいたいと思います。

 

医局や研究室の後輩にはみんなに勧めていました。

 

世界中がインターネットでつながっている時代を強く感じた出来事でした。

 

医療の世界にもインターネットが入ってくるんだろうな?なんてうっすら感じていました。

 

海外生活で感じた不便・不安

 

カナダに住んでいたときですが、半年経つとカナダの医療保険に入れました。

 

カナダの医療は良いです。なんと医療費は無料です。(ちなみに税金もその分?高いです。私も払っていました。)

外国人でもカナダの医療を医療保険で受けれたのは本当にありがたかったです。

 

しかし、日本のようには病院を気軽に受診できないですのです。

 

子供が熱を出してもFamily doctorに電話したら、『OK、来週に予約取ってあげるよ』みたいな感じですし、

 

子供が頻回に嘔吐してふらふらになり、救急を受診しても、トリアージナースがとりあえずみてくれるのですが、ここで「急がない」と判断されると、7−8時間平気で待たされます。

 

ようやく診てもらえると思ったら、まずレジデント(研修医)が出てきて、詳しく診察してくれるのですが、その後引っ込みます。

 

そして、また「ながーく」待たされて、ようやく指導医が出てきて、最低限の投薬や説明のみで帰宅となります。夜に受診したら帰宅できるのは朝、、、、

 

家で寝てる方がマシ?ということで、カナダの人はよほどでなければ病院へ行きません。

 

日本の医療に慣れていると、カナダはとても病院へのアクセスが悪いと言えます。

(ちなみにアメリカとは同じ北米で、お隣ですがシステムは全く異なります。)

 

さらに、留学したての頃は、自分も英語には自信がなかったですので、体調を壊したときに、

  • カナダ人医師にちゃんと病状を説明できるか?
  • 治療の内容を理解できるのか?

すごく不安でした。

 

こんなとき、相談だけでもいいから、日本にいる医師にできたら?と思うことは多々ありました。

 

一度子供が怪我をしたときに、病院を受診すべきかどうか?で迷ったことがありました。

 

結構な出血量で、でもカナダの救急病院は上記のように、なかなかハードルが高く、待っても診てもらえるのか?すらあやしい、というレベル。

 

そのとき、日本にいる友人医師にスカイプで診てもらって、注意点を指導してもらい、結局受診せずに済んだ、ということもありました。

 

本当に助かりました。

 

医師である私ですらこのような思いがありました。同じような思いをされている海外在住の方、多いんじゃないでしょうか?

 

自分もこのような経験をしましたので、海外に住んでいる日本人も応援できたらいいなと思っていますが、現在は規制もあり、難しい状況です。将来的にできたらいいなーと思っています。

 

エジンバラ大学で見た衝撃の血友病の医療事情

 

留学を終えて帰国したのちに、血友病という出血する病気の研修会に参加する機会を得ました。

 

血友病については別の機会に取り上げるとして、

 

エジンバラというとエジンバラ城。

 

ハリーポッターのお城にそっくりですね。

一緒に参加した同じ班のメンバーと街を散策。

 

論文で名前を頻繁に見かける高名な先生方が講師陣としてそろった、研修会でした。

さて、ここで、エジンバラ大学の血友病診療を見学に行った際に、血友病専門の看護師から、血友病のケアについて講義がありました。

 

そのときに面白いことを聞きました。

患者さんには専任看護師が定期的に電話をかけて、大丈夫かどうかを確認している。

  • ちょっとした相談事は看護師が(しかも電話で)終了。
  • 大丈夫であれば、治療製剤が郵送される。
  • もちろん、何か問題があれば受診を指示される。

 

耳を疑いました。なにせ英語ですし、、、。

 

思わず「え?製剤は患者さんの自宅へ郵送されるんですか?」と質問してしまいました。

すると、「私たちが責任持って確認・管理しているから大丈夫なんです。もちろん問題があれば受診してもらいます」と言っていました。

 

たしかに、調子が良くて、病気のことも理解できていれば、毎回薬をとりに行くためだけに、丸1日つぶして専門病院を受診を毎月する必要はないですよね。

 

このアイデアには衝撃を受けました。

 

患者さんは必要な時だけ受診できるし、医師は管理・指導が必要な方、重症な方などに集中できる、、、、というわけです。

 

患者さんも医師もWIN-WINの構図が出来上がっているのです。

 

この出来事も、オンライン診療に興味を持つきっかけとなりました。

 

日本と海外では、国民性も医療システムも違いますから同じようにはできません。

でも、少しづつ広がっていくのではないでしょうか?

 

当院では、まだ国の制約が多いので血友病のオンライン診療は、構想はあるのですが、まだ対応していません。

 

さいごに

 

当院としては、このような理由で自分が興味があったので、オンライン診療をいち早く取り入れたわけではありますが、実際にはまだまだ課題も多く、使用にあたっては規制も多いです。

 

まだまだ発展途上の分野と言えます。

 

もうすこしやりやすい環境が整うと良いですね!

 

政府が初診でもオンライン診療を認める、なども検討しているようです。

どうなるでしょうか?

目まぐるしく変わっている状況です。この変化も楽しみながらやっていきたいと思います。

 

興味がある方はクリニックにお問い合わせください。

 

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オンライン診療

子育て支援の一環として、当院かかりつけで「症状が安定している」患者さんを対象にオンライン診療を行なっています。