2020.03.21
未来の医療?当院のオンライン診療
オンライン診療、何度か当ブログでも記事にしていますが、
- そもそもオンライン診療とは何?
- やったことないし不安
- 費用はどのくらい?
など、ご不明な点はきっといろいろあると思います。
(注意:オンライン診療に関しては現在国の規制が頻繁に変わっているため、それに合わせて当院の体制も細かく変更を繰り返しています。ブログはその時点での記事です。最新情報は必ずホームページからリンクしているメドレーの予約サイトを確認いただくようお願いいたします。)
当院にかかりつけのお子さんであれば、自宅にいながらパソコンやスマホで状態を伺っていつもお薬なら処方させていただくことができます。
薬局さんが対応していれば、自宅から一歩も出ずに、処方薬を受け取ることができます。
オンライン診療の過去記事はこちら
今回は当院のオンライン診療がどのようなものか?ご紹介をしたいと思います。
目次
オンライン診療が当院で可能な患者さん
何度も書いていますが、オンライン診療は患者さんを聴診や触診できませんので、このような診察が重要となる急性疾患の対応はできません。
また、国の規制がいろいろあり、
- 風邪薬が欲しい
- いつもかかっている病気とは別の薬が欲しい
- いつもかかっている病気の薬だけど、調子がイマイチなので別の薬が欲しい
これらには対応できません。
ではどのような場合に使えるのでしょうか?
- 当院のかかりつけ
- 病状が安定している
ことがまず第一前提です。
オンライン診療の制約
初診ではオンラインでの保険診療はできません。(→国の規制が緩和されそうです!2020年4月5日追記)
そして、出せる薬はいつもの薬に限られます。
たとえば喘息で、状態が安定していて、いつもの吸入液や抗アレルギー剤が欲しい、というのはOKです。
でも
- 眼やにが出てきたから、結膜炎の目薬をついでに出して欲しい、というのはダメです。
- 抗アレルギー剤の調子が今ひとつで、変更したい、とかもダメです。あくまで、いつものお薬のみです。ご了承ください。
オンライン診療に慣れると、実際診察に病院に行くのが面倒になるかもしれません。
でも「オンライン診療のみ」でのフォローもダメです。
3ヶ月に1回は必ず実際の受診が必要です。
また、オンライン診療は新しい診療で、恐縮ですが、患者さん側だけでなく、クリニック側も慣れていません。
インターネット回線が途中で切れたり、患者さんが出してもらえると思っていた薬が出せない、薬が届くのが思っていたより遅い、などトラブルが発生する可能性があります。
一生懸命ブログなどで説明を書いていても全てを読んでいただいているとは限りません。
患者さんのためにしていることで、トラブルが発生するほど悲しいことはありません。
お互いに寛容でありたいと思っています。当院に協力してやろうと思っていただけるような、当院との信頼関係がある方に行いたいと思っています。
まとめ:当院でオンライン診療ができるのは?
- 当院かかりつけ患者さん
- 状態が安定している
- 3ヶ月に1度は実際にクリニックを受診できる
- いつもの薬だけの処方で良い
- お薬の受け取りを急いでいない
- 当院との信頼関係がありご協力いただける方
- 良好なインターネット環境がある
ということになります。
オンライン診療ができるインターネット環境について
良好なインターネット回線が必要です。
スカイプとかFACETIMEとかを問題なくお使いでしたら、回線の速度は全然問題ありません。
LINEで通話が途切れ途切れになる、とかはダメです。ビデオチャットがきちんとできないとダメです。
オンライン診療をされる前に、ぜひインターネット回線を確認して下さい。
当院では事前にインターネット回線を確認していますが、クリニックのインターネット回線だけが大丈夫でもオンライン診療はできません。
患者さんから当院までをつなぐ、全ての回線ルートが大丈夫でなければ通信障害が起きます。
またスカイプを使ったことがある方ならお分かりかと思いますが、原因不明の通信障害とかもあります。
これは当院が頑張ってもどうにもならないこともあります。
このため以下のようなポリシーを作成しています。
接続が悪く、開始後3分間でまともな会話ができない場合は、終了とします。料金はいただきませんので、ご自身のインターネット環境をお確かめのうえ、再度ご予約をお願いいたします。
2回お電話をおかけしても出られない場合にはキャンセルとします。診察料、システム利用料はいただきません。再度ご予約をお願いいたします。
オンライン診療にかかる費用
これが一番気になられるかもしれません。
医療費の算定は非常に複雑で、なかなか難しいのですが、オンライン保険診療に関しては
診察料(保険診療:普段と同じかおそらくそれ以下)+予約料 0円 +システム利用料 1000円(自費でのご負担分)
となっています。
と考えていただければ、だいたいOKです。
だいたい、というのは、多少ずれる可能性があるからです。
でも、普段かかっている費用よりも、オンライン診療のほうが保険適応分の費用はむしろ安くなるケースが多いです。
ただ、ここに追加で、システム利用料として1000円を当院ではいただいています。
このシステム利用料には保険は適用されません。自費です。
もちろん保険適応分には、乳幼児医療などもちゃんと使えます。
予約料はシステムを使って予約するために必要な金額です。キャンセルしても返ってこない費用になります。
現在0円で設定しています。
具体的には
乳幼児医療で負担額が500円であれば、お支払いは1500円となります。
(じつはオンライン診療を準備するのにそれなりのコストがかかっており、この値段では採算が取れません。ですので将来的に値上げする可能性もございます。しかし現時点では我々も不慣れですので、ご迷惑をおかけしてしまうこともあるかと思います。そこも含めてこの値段設定としておりますのでご理解いただきたいと思います。)
オンライン診療の自費メニュー
保険診療とは別に自費メニューも用意しています。
こちらは初診でもご利用が可能です。
いろいろ検討はしていますが、現在公開しているメニューは
- 小児医療相談
- 低身長相談
- 出血性疾患のセカンドオピニオン外来
です。
こちらでは
予約料550円+相談料3,000円
をいただいています。これ以上にも以下にもなりません。
(予約料はキャンセルされても返金されません。)
今後要望があればメニューも増やしていこうとは思っています。
(これも高いと思われるかもしれませんが、これでも採算に合わない値段設定です。我々が不慣れなことを考慮しての値段設定です。今後上げる可能性もありますがご了承ください。)
自費診療の注意点
診断・処方ができない
これにつきます。
実際に目の前の患者さんを診察していないのに診断してはいけません。まして処方もできません。
あくまで、アドバイスやセカンドオピニオンに使っていただければと思います。
さいごに
オンライン診療をつかうといろいろな可能性があります。
現在の新型コロナウイルスのような得体の知れないものが流行している状況では、自宅にいながら診察が受けられるのは、最高の感染対策と言えるでしょう。
また、奈良から引越しをされた場合でも、あたらしいかかりつけが見つかるまで、相談に乗ってあげたり、一時的な処方が可能です。
ブログなどで当院に興味を持っていただいた方には全国から相談ができます。
海外からでも、相談はできます。
実際会うより制約はもちろんありますが、テレワークが広がってきており、テレビでの会議も増えてきていると思います。
わたしも勤務医時代にテレビ会議で海外の方々と情報交換したりもしていました。わざわざ海外に行くよりずっと楽です。
うまく活用すればとても便利なツールだと思います。
面白いですね。未来の医療って感じです!