鳥と鉛筆

2020.05.27
最終更新日: 2024年09月25日

年長さんのワクチンはどれ?3種混合のススメ

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年長さんは小学校に入る前の大切なワクチン接種のタイミングでもあります。

 

このページでは小学生になる前(年長さん)に、済ませておきたいワクチンについて書きたいと思います。

 

年長さんでうてるワクチンはどれ?ワクチンスケジュールで確認

 

 

赤丸で囲ったところをご覧ください。

 

この時期に打てるワクチンは

  • MR(麻疹・風疹)
  • おたふく
  • 三種混合
  • ポリオ

となります。

 

いちおう小児科学会のスケジュールを見たい方もおられるでしょうから、こちらもUpしておきます。

 

 

 

年長さんの定期接種はMR(麻疹・風疹)ワクチン

 

この中で定期接種はMR(麻疹・風疹)ワクチンです。市から接種の案内が来るのはこちらですね。

 

MR(麻疹・風疹)は1歳になった時に接種しているはずです。これをMR第1期といいます。

 

1歳のお誕生日にワクチンのプレゼントを、とよく言われるワクチンです。

 

一回だけでは、免疫が不十分ですので年長さんの時期に追加する接種スケジュールとなっています。

 

これをMR第2期と呼びます。

 

年長さんになったら早めに打ちましょう!

 

麻疹・風疹はかかると本当に恐ろしいウイルスです。ワクチンで防げる病気ですので、しっかり接種しておきましょう。

 

年長さんの任意接種のワクチン

  • おたふく(ムンプス)
  • 三種混合(DPT)
  • 不活化ポリオ(IPV)

が任意で打てるワクチンになります。

 

おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン

 

おたふくワクチンも接種していないお子さんは打っておきましょう。

MRと同じで、1歳になったら、すぐに1回目を接種するワクチンです。(こちらも残念ながら現時点では任意接種です)

 

そして3歳を超えたら2度目の接種ができます。

 

ですので、必ず年長さん、というわけではないです。

 

すでに2回とも接種済みのお子さんは必要ありません。

 

当院では、上記のワクチンスケジュールの推奨時期に従って、年長さんの時期にMRと一緒に打つことをお勧めしております。

 

私自身、ムンプス難聴のお子さんにも出会ったことがあります。

 

防ぐ方法はワクチンしかありません。

 

3種混合(DPT)

百日咳の予防に、この時期に3種混合(DPT)のワクチン接種が推奨されています。

 

百日咳は4種混合に含まれています。つまり、赤ちゃんの時期に何度も接種しているはずです。

 

4種混合ワクチン(DPT-IPV)にはジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)が含まれています。

 

このうち百日咳ですが、

 

小中学校・あるいは大人になってからでも百日咳の発症があります。

 

つまり、今のワクチンスケジュールでは不十分と言えます。

 

11−12歳で定期接種で2種混合(DT)ワクチンがあるのですが、これはジフテリア(D)と破傷風(T)ですので、百日咳が含まれていません。

 

ですので、防ぐ方法として、

1)年長さんで3種混合ワクチン(DPT)を接種する

 

2)11−12歳で2種混合(DT)ワクチンのかわりに3種混合ワクチン(DPT)を接種する

という対策が考えられます。

 

3種混合ワクチンはジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)が含まれています。

 

上記1)、2)のどちらでも大丈夫なのですが、DTが定期接種で公費で無料でうてますので、これをうたないのももったいないと思います。

 

2)で3種混合を接種した場合には任意接種扱いなってしまいます。

 

ですので、私としては1)をお勧めしております。

 

年長さんでなくても、うちそびれている方は、小学生になっても普通に接種可能ですのでご相談ください。

 

不活化ポリオ(IPV)

 

ポリオは以前は飲むワクチン(OPV:oral polio vaccine)でした。これは生ワクチンでした。

 

現在は(2012年〜)不活化ポリオワクチン(IPV:inactivated polio vaccine)という注射のワクチンとなっています。不活化ワクチンです。

 

不活化ポリオは通常4回接種が必要で、これは4種混合に含まれています。

 

こちらは4種混合をスケジュール通りに打っていたら、4回接種が完了しています。

 

ただ、海外ではポリオは4回以上接種します。海外に留学とかですと、Vaccine recordを要求される時に、IPV2回を追加するように言われることもあります。

 

日本にいる限りは必須とまでは言えませんが、海外に住む予定がある方は打っておくと良いでしょう。

 

3種混合とポリオをうつなら4種混合をうてば良いのでは?

 

上記を読んでいただいて、3種混合(DPT)と不活化ポリオ(IPV)をうとうと思った方、

 

それなら4種混合(DPT-IPV)で良いんじゃないの?って思われたのでは?

 

ですよね?それなら注射の回数が少なくてすみます。痛いのは一回でも少ない方が良いです。

 

でも、ダメなんです。

 

4種混合は4回までの接種しか承認されておらず、みなさん4回すでに接種されているはずです。

 

ここで接種するのは5回目なはずです。

 

ですので今のところ、この時期に打つのは4種混合は認められていません。

 

なんか納得いかない感じもすると思うのですが、3種混合とポリオを別々に打つ必要があります。

 

さいごに

 

ワクチンで防げる病気(VPD:vaccine preventable diseases)はワクチンで防ぎましょう。

 

ワクチンは不要不急の医療行為ではありません。きちんとスケジュール通りの接種が推奨されています。(こちらもご覧ください。)

 

しっかり年長さんのワクチンをうって小学校に上がる準備をしておきましょう!

 

定期接種のMRは当然として、おたふくや3種混合もしっかり推奨したいと思います。

 

またスケジュール通り打っておられない方は、しっかり母子手帳を見直して、うてていないものをしっかりうっておきましょう。

 

迷われたら母子手帳をお持ちになって、ご相談にいらしてください。

 

海外に住んでおられた等で、通常のスケジュールを逸脱している場合(けっこう登美ヶ丘地域には多い印象です)には、お電話では齟齬が生じてしまいます。

 

きちんと母子手帳を見ながらスケジューリングをさせていただきますので、ぜひご来院ください。

 

それでは!

 

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