2020.01.06
自費診療となります!抗インフルエンザ薬の予防投与について
インフルエンザのワクチンをうっても、手洗いをしっかりしても、残念ながら完全に感染を防げるわけではありません。
そんな時、抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなど)を予防的に投与して、かかりにくくする方法があります。
抗インフルエンザ薬についてはこちらをご覧ください。
目次
抗インフルエンザ薬の予防投与はそもそもしても良いものなのか?
薬剤の添付文書にも予防投与の項目があり、用法・用量も記載されています。
きちんとした正しい使用法として(条件付きですが)予防投与は承認されています。
(これはタミフルの添付文書から抜粋したものです。)
ただし、予防投与には保険診療は認められていません。完全自費診療となります。
保険証はもちろん、乳幼児医療も使用できませんのでご注意ください。
予防投与の注意点
予防投与できるかどうかは診察、相談した上での判断となります。
ご希望の場合には、まずは、(処方を受けられるご本人の)受診をいただき相談いただきます。
薬剤の添付文書に則った使用であれば、薬で大きな副作用が出た場合、厚生労働省の「医薬品副作用被害救済制度」により保障があります。
抗インフルエンザ薬の添付文書によれば、予防投与は、
「インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象」となっています。
- 高齢者(65歳以上)
- 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
- 代謝性疾患患者(糖尿病等)
- 腎機能障害患者
タミフルやリレンザは、これまでたくさんの患者さんに使用されてきた安全性の高い薬ではあります。
しかし、添付文書上にない使用法(適応外使用)をしていた場合には、、、、
万が一予想外の大きな副作用が出た場合に、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり補償が受けられなくなります。
受験生なので予防したい、大切な仕事があり会社が休めない、というような場合には、
事情はよくわかりますが、残念ながら適応外使用となります。
また薬が合わずにアレルギー症状が出たりして逆に体調をこわす可能性もゼロではありません。
使ったことがない薬を大切な時にいきなり使用するのはお勧めできません。前もって一度早めに試してみることもお勧めします。
このような場合にはあくまで自己責任での投与となります。受診される前に、ご確認・ご理解の程お願いいたします。
予防投与の費用(自費)
抗インフルエンザ薬の予防投与における「診察料金」は当院では一律4,000円(薬剤費は別途かかります)です。
当院は院外処方ですので、処方箋を出させていただき、薬局でさらに薬剤費をご負担いただく必要があります。
薬局によって、またどの薬を使用するか、薬の量(年齢、体重により異なります)、処方の時間帯によりますが、薬局にて約3,000~6,000円の費用が掛かります。
診察料金と薬料金を合わせて、7000円から10000円程度の費用が必要となります。
診察料金(クリニックにて):4,000円
薬料金(調剤薬局にて):約3,000~6,000円
予防投与に使用する抗インフルエンザ薬
抗インフルエンザ薬(予防薬として)はお好きな薬剤を選んでいただけますが、当院では
- オセルタミビル(タミフルのジェネリック薬)
- リレンザ
を推奨しています。
理由は
- 値段が安い
- 副作用が出た時に、途中で中断できる
からです。
オセルタミビルは、タミフルのジェネリック薬で、圧倒的に値段が安いです。
吸入薬にはジェネリックはありませんので、吸入薬をご希望の場合にはリレンザ、イナビルを処方させていただきます。
薬剤費の目安
薬局でかかる薬剤費(成人)の目安
*薬局により異なります。時間外にはさらに加算(400円+税)がかかります。
タミフルカプセル:3564円(7日分)、4719円(10日分)
オセルタミビル:2484円(7日分)、3719円(10日分)
イナビル:6160円(2キット)
リレンザ:4455円(20ブリスター)
薬局でかかる薬剤費(小児)の目安
*薬局により異なります。時間外にはさらに加算(400円+税)がかかります。
15kg (10日分) | 20kg (10日分) | 25kg (10日分) | |
タミフルDS* | 3839円 | 4499円 | 5159円 |
オセルタミビルDS* | 2849円 | 3179円 | 3509円 |
イナビル (10歳未満) | 3762円 | ||
リレンザ | 4455円 |
*DS:ドライシロップ
保険診療も同時に受けられたい場合には?
当院では保険診療と自費診療は同時には行いません。
保険診療は別日にお願いいたします。
予防投与のタイミング
インフルエンザ発症者あるいはウイルス排泄期間(発症2日前から発症日まで)にある方と濃厚に接触した場合、
接触後48時間以内に抗インフルエンザ薬を投与します。
接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていません。
また投与している間のみ予防効果があります。投与を中断すれば感染する可能性があります。
予防投与中にインフルエンザの発症が有った場合
予防内服していても発症を抑制できず、インフルエンザを発症する可能性も否定できません。
すでに感染していた場合などが想定されます。
この場合には、通常の保険診療を行います。この際に、検査、処方をするかどうかは、診察時の判断となります。
薬剤の投与量
オセルタミビル・タミフル
- 成人 1回1カプセルを1日1回、7~10日間、経口投与する。
- 小児 1回用量(2mg/kg)を1日1回、10日間、経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mg(1カプセルと同量)とする。
リレンザ
- 成人、小児ともに 1回10mg(2ブリスター)を1日1回、10日間
イナビル
- 10歳以上 1回40mg(2 kit)を1回。または1回20mg(1 kit)を1日1回で2日間
- 10歳未満 1回20mg(1 kit)を1回。
ゾフルーザに関しては原則処方しません。(理由についてはこちらの記事もご覧ください。)
さいごに
いかがでしたか?
どうしてもインフルエンザウイルスに感染したくない時ってありますよね。
事情は人それぞれですが、最終手段として、自費診療にはなりますが、抗インフルエンザ薬の予防投与が可能です。
ご希望の方はインターネットから通常の診察予約をお取りいただき、受診していただければ対応させていただきます。
クリニック窓口で予防投与希望、とおっしゃってください。
よろしくお願いします。